5年ほど前、医院テナントの内装工事費は、坪40万円前後でしたが、現在は坪50万円前後になっており、さらに今後も上昇の傾向にあります。

この原因には、2020年の東京オリンピックによる建材不足や職人手間の高騰によるものとも言われておりますが、中小の建築会社においては職人不足による人件費UPよりも、建材の金額UPが大きな要因となっております。数年前には国による省エネ等の政策として、エアコンが環境配慮タイプのみになり、機器が1.5倍ほど上がりました。また、来年には各メーカー建材等が8~50%もコストが上がるという通達も届いております。

医院開業の事業計画においては、建築費用が大きなウェイトを占めており、これを抑えることも重要となります。しかしながら、昨今の診療所は単に治療する施設ということだけでなく、予防医学の観点からも地域コミュニティの場としての役割も大きくなっており、デザインや雰囲気、設備もそれなりのものが求められてきております。

今後、建築資材のコストダウンを望むことは出来ませんので、設計事務所と建築会社が密に連携をして、創意と工夫でご提案をしていく必要があると思います。これには、設計と施工を分けるのではなく、弊社のような設計・施工を一連でしているような建築会社が、今後さらに求められてくるのかも知れません。